NEWS

  • TOP
  • NEWS
  • センバツ甲子園 日本航空石川 能登半島地震の影響残るも 雪深い輪島市から夢舞台を目指した思い 強力投手陣で石川に勝利を

センバツ甲子園 日本航空石川 能登半島地震の影響残るも 雪深い輪島市から夢舞台を目指した思い 強力投手陣で石川に勝利を

3月18日に開幕した選抜高校野球大会の話題です。
日本航空石川は、2年連続4回目の出場です。去年は1点差で惜しくも初戦敗退となりましたが、能登半島地震の影響もある中、輪島市からこの舞台を目指してきた選手たち、今年は能登に勝利を届けます。

輪島市の航空石川。センバツ甲子園開幕まで3週間を切った2月末、深い雪が残るグラウンドで、野球部員たちが雪かきをしていました。

深さは、目算で40cmほどあります。

中村隆監督「土が見えるようにしているんですけど、あの下の土が見えることによって、日が照ったときに一気に解けやすくなると」「私も能登20年になりますので、そういう知恵がついてきました」

2024年秋の北信越大会では準優勝を果たし、2年連続4回目のセンバツ出場を決めた航空石川。

チーム躍進の原動力は、強力な投手陣です。切れ味抜群のスライダーで相手を翻弄する長井孝誠投手
「秋の大会でも、ピンチで自分が代わって投げる場面が多かったんですけど、そういう場面でしっかりゼロで切ってこられたというのは自信になったので」「ピンチでも動じずに投げようと思っています」

最速145キロのストレートが最大の武器、速球派の蜂谷逞生投手
「真っ直ぐで押していく投球が持ち味だと思います」

ダブルエースが競い合うように好投を見せ、甲子園への切符をつかみ取りました。

中村監督「競い合ってくれて、また、新チームになって自覚が出てきて、本当にWエースらしい活躍をしてくれたなと思っています」

毎年12月から2月の3カ月間は、全国一斉に対外試合が禁止となる、高校野球のオフシーズンです。

こうした中、センバツ出場を想定していた航空石川の投手陣は、年末から投球練習を始め、ブルペンや、打撃練習への登板で仕上げてきました。

2年生のダブルエースとともに、トレーニングをするのが1年生の保西雅則投手です。

身長188cmの長身から投げ下ろす威力のあるボールが最大の武器で、今大会で甲子園初登板を目指しています。

保西雅則投手「真っ直ぐで押していっぱい三振取って、チームが盛り上がったら、打線もつながると思うので、チームを盛り上げるようなピッチングをしたいです」

中村監督「(保西投手は)まだ経験が浅いので、このセンバツもしかしたら登板する機会があるかも知れませんが、今後エース2人に割って入る、もしくは越していく、それぐらいの可能性は持っているかなと期待しています」

冬の間、このチームを突き動かしてきたのが、去年秋の決勝・敦賀気比戦での悔しさです。

2-1、1点リードで迎えた9回。

好投していた長井が、先頭バッターをフォアボールで出します。

そこで、前の日に完封勝利を挙げた蜂谷にスイッチ。

しかしリードを守り切れず、悔しい逆転負けでした。

蜂谷投手「思い出したくなくても、思い出してしまう試合」「自分で負けてしまったので悔しい試合です」

長井投手「悔しいというひと言に尽きる自分が最後まで投げきって勝ちたかったけど、投げきれなかったところが、自分の秋の課題というか弱さだと思ったので、この冬はそれを意識してやってきました」

中村監督「特にその最後の時に、勝負というのは一番激しく動くということを、選手も私も改めて身に染みて、隙を作ってはいけないということは分かったと思います」

勝った敦賀気比は、その後の明治神宮大会でベスト4に進出。全国トップとの差は、わずかだということが分かりました。

秋に活躍した2人の2年生ピッチャーのレベルアップ、そこに1年生・保西の成長があり、差は埋まりつつあります。

中村監督「我々は、あの全国の舞台にいったときに、浮き足立たずにやれるかというところが不安の1つではあります。ただ、自分たちの力をしっかりと出すことができれば、全国の強者相手でもいい勝負ができる可能性があると思っています」

震災で校舎が壊れ、学校全体の拠点を東京に一時移転する中、野球部だけが雪深い輪島市に残って、学校生活を送っています。

北信越・石川県・そして能登の代表だという気持ちが、より強くなりました。

中村監督「外でなかなか(野球が)できない思いを、日々募らせているからこそ、甲子園に行ったときにはその思いが爆発して、やっていけるこの冬の成果を出せるのが非常に楽しみなんですけど、そういう思いでコツコツと能登でやっています」

2年連続となるセンバツ甲子園の舞台。

ベスト8に進出した2018年以来、7年ぶりの勝利を、能登に届けます!