北陸朝日放送アナウンサー・下田武史の視点で石川の今を伝える「シモダ目線!」
今回は加賀友禅の世界に迫ります。
東京友禅(江戸友禅)・京友禅と並び、三大友禅と称されるのが加賀友禅です。
伝統を受け継いでいくだけでなく、時代に合わせて多くの人に見てもらえるよう、進化を続けています。
金沢東急ホテルです。現在、1階と2階の吹き抜けに、友禅流しをイメージした飾りが展示されています。
上から見下ろすと「友禅流し」。下から見上げると、青空に見える仕掛けです。
制作したのは、県内の友禅作家の団体です。
グルーヴ加賀友禅・一川忍さん「ここに来て加賀友禅・日本の伝統工芸、石川の伝統工芸を知ってもらえる機会でもありますので、本当にうれしい話かなと思います」
そしてこちらは、金沢市の加賀友禅会館です。
金沢市を舞台とするメディアミックス作品「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」とコラボをしました。
登場キャラクターが作品の中で加賀友禅の着物を着ていて、そのパネル展が開催され、全国から多くのファンが訪れました。
加賀友禅作家・古泉良範さん「自分らは普段、着物ばかりみたいなイメージがあるんですけど、それ以外のことをやらせていただけるというのは、すごく楽しいですね。見方も変わるし、考え方も頭の中で切り替わるので、新鮮だなと思いました」
技術の追求だけではなく、多くの人に見てもらおうという加賀友禅の取り組みです。いろいろな人が泊まるホテルに展示するというのは、国の内外に広く知られるきっかけになり、人気作品とのコラボは、それを目的に多くの人に金沢に来てもらえます。
「確かな技術を社会や市場に翻訳」するという考え方があります。
身近なところでは、伝統的に工芸や建築に使われてきた「金箔」を食用に使ったことで生まれたのが「金箔ソフト」。今や金沢観光のシンボルとして大人気ですね。
世界的なところでいうと、カメラ。スマホに搭載して形を変えて爆発的に売れたことで、研究開発にお金をかけられるようになり、撮影機能や編集機能もめざましい発展を遂げています。
これは「お金が回る」ことでより技術が発展していくという典型的な事例です。
加賀友禅という素晴らしい伝統を、多くの人に知ってもらい、さらに発展させていくため、古泉さんは「多くの人に加賀友禅を知ってもらうことで、時代に合わせた形の活用へのきっかけになれば」と話していました。
時代に合わせた加賀友禅の取り組み、紹介しました。
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加賀友禅 人気作品「ラブライブ!」とのコラボやホテル展示で国内外にアピールも 伝統を守りつつ現代に合わせて進化する取り組みを紹介
(水)